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関西表面技術フォーラムでの受賞をバネに
京都大学エネルギー理工学研究所
深見一弘

 大学院の学生であった頃から金属電析の研究に携わってきました。関西エリアの大学であったにも関わらず、残念ながら表面技術フォーラムに参加したことはありませんでした。現在の所属先に移動してから参加し始め、初めて参加した際に参加者の真剣な眼差しに驚いた記憶があります。
特に、一つの会場で行われるフォーラムであるが故の緊張感は他のシンポジウムでは得難いものであると思います。講演者と参加者の距離が近く、コーヒーブレイク等で様々な方々から質問を頂き、お互いの理解を深めることができるのも本フォーラムの魅力であると感じます。
また、様々な表面処理に関する知識を二日間で勉強できることも魅力です。あえて一つだけ不満な点を挙げるとすると、シミュレーションを用いた解析に関する研究が殆どない点です。実験とシミュレーションがお互いにフィードバックし合うことができれば、より制御された表面処理が可能になるのではないかと思うからです。

 さて、今回私は一年間暖めに暖め抜いた、多孔質シリコン電極へのCu電析に関する研究成果を発表しました。様々なご意見を頂くことができ、再考すべき実験などの的確なアドバイスも多々頂くことができました。本フォーラムでの議論を反省材料にすることで、研究者として一周りも二周りも程成長できた気がします。今回、講演賞を頂くことが出来たことであと一周り成長できたかも知れません。
この受賞をバネに、金属電析に関する研究を通じた表面技術の発展、特に関西の表面技術の発展に少しでも寄与できるように精進したいと思います。最後に、本研究を行うにあたり、ご協力頂きました共同研究者の皆様に厚くお礼申し上げます。