「フォーラムを終えて」
株式会社 野村鍍金 技術部
濱田 隆弘
この度は、このような賞を受賞させて頂き誠にありがとうございます。学生の頃に 表面技術講演大会には数回発表させて頂いた経験がありましたが、社会人となってか らは初めての発表で、「失敗しないだろうか」と、これまで以上に緊張して臨んだ記 憶があります。登壇すると案の定、手が震えてしまって、スクリーン上のポインター が踊ってしまいました。しかし、こういう経験を踏まえることで発表に慣れることが 出来れば、お客様を前にした時のプレゼンテーションを初めとする、他の人にわかり やすく説明する技術を身に付けるだけでなく、また自信ともなりますので、今回のこ のフォーラムでは良い経験が出来たと思います。
さて、私の研究テーマとしているFe-W合金めっきですが、入社した直後に与えられ たテーマで、数多くの問題をクリアするために、かれこれ1年半の間、試行錯誤を繰 り返してきました。一般的には、その強度を利用した用途について研究なされている 皮膜ですが、この皮膜には、その他にも優れた溶融亜鉛によるバリア性のあることが わかりました。つまり、溶融亜鉛による侵食を受けず、またクラックが在っても亜鉛 が侵入しないという不思議な特性を持っています。私には大きすぎる程のテーマを与 えられ不安な気持ちでしたが、今回の受賞を糧として実用化に向けて研究に勤しみた いと思います。
最後に、この研究に際し、御助力下さった大阪府立産業技術総合研究所の所員 の方々をはじめ、多くの皆様方に厚くお礼を申し上げます。